二−2 鳥取県人権救済手続条例について

 次に、本定例会に提案されております鳥取県人権救済手続条例について伺います。
 本条例案は、人権の侵害により発生し、または発生するおそれのある被害の適正かつ
迅速な救済、またはその実効的な予防に関する措置を講ずることにより、人権が尊重され
る社会の実現に寄与するものであります。私は、本条例案について、現時点ではいささか
疑問なしとしないとの立場から、幾つかの論点につき議論を氷解させた上で議会の意思形
成に臨むべく、知事の所見を伺うものであります。

 既にさきの9月定例会での我が党代表質問において、稲田議員がこの条例案につきまし
て、人権委員会が知事の附属機関であり、その独立性、公平性はどう確保されるのか、ま
た委員会の設置は県民サービスの提供であると同時に、権力による監視の度合いを高め
る危険性があるのではないか等々の指摘をされたのでありますが、知事はこれらの指摘
事項をどのように本条例案に加味されたのか、まずもってお伺いいたします。

 また、本委員会を独立行政委員会とすべく特区申請をされたと聞きますが、この申請並
びにその見通し等についてもあわせてお伺いします。

 次に、本条例案と同様の目的で、平成14ねん第154回国会に提出されながら、その後
の経緯から廃案となった人権擁護法案との整合性についてであります。

 この法案は、人権救済の基本的原点としての問題、すなわち委員会が法務省所管であ
る点、メディア規制の危険性の指摘に加えて、実質的問題として委員会の処理能力への
疑問や地方への配置が不透明といったことが挙げられています。しかしながら、裁判は時
間や経費がかかり過ぎることもあり、迅速な処理を求める多くの期待がある中で、この法
案はメディア規制の部分を凍結した上で再度提出される可能性が濃いと仄聞しております。
そこで、国の法案が通ったとき、県条例はどのようになさるお考えか、お尋ねいたします。

 3点目に、委員会を構成する委員、相談員の人選、確保について、知事はどのように考
えておられるのか、伺います。

 委員会に寄せられるさまざまな相談に適切に対応し、解決に向かうためには、人権に対
する正しい認識と法知識やバランス感覚等が要求されると思います。特に事務局段階で国
は最低1名に弁護士資格者をおくようになっておりますが、本県の場合はどうなるのでしょ
うか。また、特区申請の結果にもよりますが、県庁自体が人権侵害をした場合の調査につ
いて、どのようにして公平、公正を保障されるのか、お尋ねします。

 最後に、県内142名の人権擁護委員とその活動についてはいかようにお考えでありましょ
うか。

 人権擁護委員は市町村長が議会の同意を得て推薦し、法務大臣が任命するもので、主
に相談、啓発活動に携わり、平成15年度の実績では、県下での相談件数3,574件のう
ち2,111件を受けております。無報酬で働いておられるのに、お金を出し合って法務局内
に自分たちの事務局まで設け、交代で相談業務に当たられるなど頑張っておられることに
敬意を表したいと思います。

 これに対し、県は年額12万円の活動助成金を打ち切ったと聞きます。その際、担当者か
ら、国のやっている活動だから国が経費を出すべき、あなた方のお世話にならなくても県は
県でやっていくと理由を示されたとのことでありますが、いささか残念な言辞とは言えないで
しょうか。

 また、9月定例会において浜田議員への答弁で、片山知事は、結構お年を召した方が多
いものですから、働けといって私の方からハッパをかけるというのはちょっと差し控えていま
すと発言されました。助成金打ち切り時の対応とあわせ、委員の中にはこの知事発言に不
快感を持たれた方もおられるのであります。真意のほどをお聞かせください。



                                      知事の答弁




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